2018年10月
ニュースでもよく耳にするのが「風疹大流行」。
何でも昨年の12倍もの患者数らしい。
16日に発表された集計では1103人となった。
そもそも「風疹」ってなんなの?
どういう症状?
予防の方法は?
色々な疑問が沸いたので、少しまとめてみました。
目次
風疹って?
風疹とは、ウイルス感染症のひとつで、風疹ウイルスによる急性熱性発疹性感染症のこと。
(急性熱性発疹性感染症・・・風邪のような症状と、急な発熱に発疹が伴う症状)
一般に日本で「三日はしか」とも言われています。
伝染力は「水疱瘡」や「麻疹(はしか)」より弱く、小学生の患者が多いです。
これいった治療法はなく、症状に応じた対症療法を採ることで快方に向かいます。
どうやって感染するの?
感染者の咳やくしゃみによる「飛沫感染」または直接接触で感染します。
風疹の症状は?
子供(小児)の場合
初期症状として「微熱」「頭痛」「倦怠感」「鼻水」「咳」「口の中に斑点」などで風邪のような症状です。
その後、顔、耳後部から、赤い点状の発疹が全身に広がって、
出始めから24時間で出そろい、ほとんどは3~5日程度で消えます。
(うち20~25%は発疹が出ない)
約25~50%は38度~39度の発熱が3日間程度続きます。
耳介後部(耳の後ろ側)、後頭部、首のリンパ節が腫れます。
リンパ節の腫れは、発疹が出る5~10日前から数週間続くこともあります。
成人の場合
子供の症状とほぼ同じですが、ほとんどの場合リンパ節が腫れ、発熱が小児より長く5日間ほど続きます。
また、成人は小児に比べて重症化しやすいとのことです。
治療法は?
特別な治療法は無く、症状を和らげる対症療法のみとなります。
発熱や関節炎などに対しては解熱鎮痛剤が用いられます。
予防方法は?
ワクチン接種による予防となります。
幼小児期に予防接種が行われ、2回接種を行うのが主流です。
1976年から始まった予防接種は女子中学生のみが対象でした。
男女ともに1歳すぎに接種するようになったのは1995年からです。
その間接種を受けていない空白の世代が免疫を持っておらず
特に20代~40代の男性を中心に多く発症しています。
受けたかどうかわからない場合
母子手帳を確認して、2回接種歴があるかどうかを確認します。
確認が出来ない場合、下記の年代であれば接種が必要かもしれません。
・1977年以前の生まれの人
定期接種が無い世代です。確実に感染したことがわかっていれば接種不要です。
・1977年~1990年生まれの人
定期接種1回の世代です。麻疹にかかったことがなければ、2回目の接種が必要です。出来るだけ早めに接種しましょう。
・1991年以降の生まれの人
母子手帳を確認して、2回接種歴が無いときは早めに接種しましょう。
妊婦、妊娠の可能性のある人は、予防接種を受けられません。
女性の予防接種の受けるタイミング
妊娠を考えていたりしているけれど、接種していないかもしれない場合、
妊娠していない時期に接種する必要があります。
生理中またはその直後が確実ですが、あらかじめ1ヶ月間避妊してからが好ましいです。
ワクチン接種を行った後、2ヶ月間は避妊が必要です。
男性の予防接種の受けるタイミング
可能な限り早く接種するようにしてください。
特に、結婚を考えている方、パートナーが妊娠をする可能性のある方、お孫さんが生まれる可能性のある方は急いでください。
ニュースなどで大きく取り上げられる理由
成人が風疹にかかると、重症化しやすいという話もありますが、それだけではなく
妊娠初期の女性が風疹にかかると、赤ちゃんが障害をもって生まれる可能性があります。
問題は女性が予防接種を受けていても、パートナーとなる男性が感染した場合、そこから女性に感染する可能性があります。
そういった感染を防ぐため、色々なメディアが大きく取り上げています。
男女ともに、妊娠をする可能性のある方、結婚を考えている方、お孫さんが生まれる可能性のある方などは定期接種の確認や、かかりつけ医に相談されることをお勧めします。
妊娠中に風疹に感染した場合は?
妊娠10週までに妊婦が風疹に初感染すると、胎児が風疹ウイルスに感染し、障がいをもった赤ちゃんが生まれてくる可能性があります。
それを「先天性風疹症候群」といいます。
妊娠21週以降の感染であれば、胎児への感染率が大幅に減少します。
先天性風疹症候群がおこる割合
風疹にかかった妊娠時期により、違いがあります。
妊娠初期の12週までに妊婦が風疹にかかると25~90%と幅はありますが
高い確率で起こるとされています。
先天性風疹症候群がおこるとどうなるか
典型的な症状は「心疾患」「難聴」「白内障」です。
その他にも先天性の症状があらわれることがあります。
・胎内死亡
・流産
・心疾患
・白内障
・緑内障
・網膜症
・小眼球症
・難聴
・脳性まひ
・髄膜脳炎
・低出生体重児
・インスリン依存性糖尿病
先天性風疹症候群に治療法はありません。
ですので妊娠前にワクチン接種を受けておかなければならないのです。
妊娠希望の方は病院で抗体検査(風疹の免疫があるかどうかの検査)を受けられますので、夫となるパートナーと一緒に受けることをお勧めします。
抗体が無い場合、低い場合はワクチン接種も忘れずに行ってください。
抗体検査は実費で5000円程かかりますが、自治体によって補助が受けたれる場合がありますので
お住まいの自治体にご確認ください。
妊娠中の風疹感染の予防方法
とにかく風疹にかかっている可能性のある人との接触は避けてください。
家族の中にワクチン接種がまだで、感染したこともない人がいる場合、その方は至急ワクチン接種を受けるようにしてください。
まとめ
風疹は妊娠中に感染すると胎児の将来に影響を与えかねません。
親から「子供のころにかかったよ」と聞いてきても、実は記憶違いで・・・なんてことも多くあります。
確実に知りたい場合は病院で抗体検査をすることです。
私は予防接種空白世代にあてはまるので、妊活を始めた時に抗体検査をしてもらいました。
それによって抗体の値が低いと判明し、ワクチン接種をすることが出来ました。
これまでに予防接種をしていても風疹に感染したことがあったとしても、
再度ワクチン接種することに特別な症状が起こることはないので不安な方はとにかく一度接種しておいた方がいいです。
風疹は注射1本で防げます。
一度ご自身、パートナー、ご家族で再確認してみてはいかがでしょうか?